HONDA NSX

HONDA NSX
ホンダ NSXは、本田技研工業が製造・販売していたスポーツカーです。その歴史は長く、大きく分けて2つの世代に分けられます。
初代NSX (1990年~2005年)
- 開発経緯: 1989年のシカゴ自動車ショーで「NS-X」として発表され、翌1990年に「NSX」として正式に発売されました。「New」、「Sportscar」、「eXperimental」の頭文字を取ったのが名前の由来とされています。フェラーリやポルシェといった海外のスーパースポーツカーに対抗できる、国産初の本格的なスーパースポーツカーとして開発されました。
- 特徴:
- オールアルミモノコックボディ: 量産車として世界初のオールアルミ製モノコックボディを採用し、軽量化と高剛性を両立しました。
- VTECエンジン: ホンダが誇る可変バルブタイミング・リフト機構「VTEC」を搭載したV型6気筒エンジンをミッドシップに搭載。優れたレスポンスと高回転域でのパワーを実現しました。
- F1技術のフィードバック: F1で培った技術が惜しみなく投入され、特にアイルトン・セナが開発に携わったことでも知られています。
- 専用工場での生産: 栃木製作所高根沢工場に専用ラインを設け、熟練の職人による手作業に近い工程で一台一台丁寧に生産されました。
- 派生モデル:
- NSX タイプR (1992年): サーキット走行を前提としたピュアスポーツモデル。徹底した軽量化と専用サスペンションチューニングが施されました。
- NSX タイプT (1995年): オープントップモデルで、開放的なドライブが楽しめるようになりました。
- 後期型 (2001-2002年): 大幅なデザイン変更が行われ、ポップアップヘッドライトが固定式に変更されました。エンジンも排気量が3.2Lに拡大され、6速MTが追加されました。
- 評価: 「日常で使えるスーパースポーツ」というコンセプトで、優れた走行性能だけでなく、高い信頼性と快適性も兼ね備えていたことから、国内外で高い評価を受けました。
2代目NSX (2016年~2022年)
- 再開発と登場: 初代の生産終了から時を経て、2016年にハイブリッドスーパースポーツカーとして復活しました。開発はアメリカのホンダR&Dアメリカズが主導しました。
- 特徴:
- SPORT HYBRID SH-AWD®: ツインターボチャージャー付き3.5L V6エンジンに3つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。四輪をモーターで制御する「SPORT HYBRID SH-AWD®」により、高次元のハンドリングと走行安定性を実現しています。
- スーパースポーツとしての性能: 圧倒的な加速性能と、電動による緻密なトルク制御で、これまでにないドライビング体験を提供しました。
- Type S (2022年): 最終モデルとして、さらにパフォーマンスを高めた「Type S」が限定生産されました。
- 評価: 初代とは異なるアプローチで「新しい時代のスーパースポーツ」を体現し、その先進的な技術とパフォーマンスは注目を集めました。
価格について
NSXは、その性能と希少性から新車価格も高価でした。
- 初代の発売当初の価格は850万円。
- 2代目NSXの最終モデルであるType Sの価格は2,420万円でした。 現在、中古車市場では初代・2代目ともに高値で取引されており、特に程度の良い車両や希少なモデルはプレミア価格がついています。
NSXは、ホンダの技術力と挑戦的なスピリットを象徴する、日本を代表するスーパースポーツカーと言えるでしょう。
ホンダNSXは、初代(NA1/NA2型)と2代目(NC1型)の大きく2つの世代に分けられます。それぞれ特徴が異なります。
初代ホンダ NSX (NA1/NA2型)
1990年から2005年まで生産された初代NSXは、「New Sports eXperience」をコンセプトに開発され、世界初のオールアルミモノコックボディを採用するなど、革新的な技術が投入されました。
主な仕様 (モデルや年式により異なります):
- エンジン:
- NA1型: C30A型 3.0L V型6気筒 DOHC VTEC (280PS/7,300rpm (MT), 265PS/6,800rpm (AT))
- NA2型 (後期型): C32B型 3.2L V型6気筒 DOHC VTEC (280PS/7,300rpm (MT), 265PS/6,800rpm (AT))
- VTEC (可変バルブタイミング・リフト機構) を搭載し、高回転までスムーズに吹け上がる特性が特徴です。
- トランスミッション:
- 5速MT (NA1型)
- 6速MT (NA2型)
- 4速AT
- 駆動方式: ミッドシップエンジン・リアドライブ (MR)
- ボディ: オールアルミモノコックボディ
- サイズ (NA1型、参考値):
- 全長: 約4.43m
- 全幅: 約1.81m
- 全高: 約1.17m
- ホイールベース: 約2.53m
- 特徴:
- F1ドライバーのアイルトン・セナが開発に携わったことで知られています。
- 優れた走行性能と日常での使いやすさを両立させた「人間中心のスーパースポーツ」として評価されました。
- 「NSX-R」などの高性能モデルも存在しました。
2代目ホンダ NSX (NC1型)
2016年から2022年まで生産された2代目NSXは、先進的なハイブリッドシステムを搭載し、大幅な進化を遂げました。
主な仕様 (モデルや年式により異なります):
- パワートレイン: スポーツハイブリッドSH-AWD (Super Handling All-Wheel Drive)
- エンジン: 3.5L V型6気筒DOHCツインターボエンジン (JNC1型)
- 最高出力: 約507PS (タイプSでは529PS)
- 最大トルク: 約550Nm (タイプSでは600Nm)
- モーター: 3モーター (フロント2基、リア1基)
- システム最高出力: 約581PS (タイプSでは610PS)
- システム最大トルク: 約646Nm (タイプSでは667Nm)
- エンジン: 3.5L V型6気筒DOHCツインターボエンジン (JNC1型)
- トランスミッション: 9速DCT (デュアルクラッチトランスミッション)
- 駆動方式: 4輪駆動 (SH-AWDによるトルクベクタリング機能)
- ボディ: マルチマテリアルボディ (アルミ、超高強度鋼など) スペースフレーム構造
- サイズ (参考値):
- 全長: 約4.49m
- 全幅: 約1.94m
- 全高: 約1.21m
- ホイールベース: 約2.63m
- 特徴:
- 3つのモーターとツインターボエンジンを組み合わせた高性能ハイブリッドシステムにより、圧倒的な加速性能と優れたハンドリングを実現。
- 「パフォーマンス・ハイブリッド・スーパーカー」として、新世代のスーパースポーツを体現しました。
- 最終モデルとして「Type S」が限定生産されました。
どちらのNSXも、ホンダの技術力と「走る喜び」を追求した姿勢を象徴する、歴史に残る名車です。
