トヨタ セリカ リフトバック1600GT



歴史と登場背景

初代セリカは1970年12月に登場し、「ダルマセリカ」の愛称で親しまれました。その後、バリエーションを拡充する形で、1973年4月に3ドアハッチバックの「リフトバック(LB)」が追加されました。1974年には2000GTもラインナップに加わり、多様なニーズに応えるようになりました。

リフトバックは、欧米のスポーツカーのような流れるようなリア造形が特徴で、その斬新なデザインは非常に高い支持を得ました。当時のテレビCMのキャッチコピー「足のいいやつ」でも知られるカリーナとプラットフォームを共有していましたが、セリカは独立したコイルスプリング+4リンクのリアサスペンションを採用し、良好なハンドリングが高く評価されました。

特徴

1974年式セリカ1600GTリフトバックの主な特徴は以下の通りです。

  • デザイン: 「ジャパニーズ・マスタング」とも称されるファストバックスタイルの3ドアハッチバック(2+2クーペ)で、大きなテールゲートが特徴です。リアビューは「バナナテール」と呼ばれる独特の形状をしており、発売当時の流行であったリアウィンドウルーバーなども装着されていました。フロントマスクはクーペモデルの「ダルマ」顔を踏襲しており、中央には「GT」のエンブレムが配置されています。
  • エンジン: 1600GTには「2T-G型」と呼ばれる直列4気筒DOHCエンジンが搭載されています。排気量は1588ccで、最高出力は115ps/6400rpm、最大トルクは14.5kgm/5200rpmを発揮しました。
  • 室内: 速度計と回転計を合わせた5連メーターを装備するなど、スポーティーな内装でした。リフトバックの名の通り、テールゲートは大きく開き、リアシートを倒すことで広大な荷室空間が生まれ、キャンプ用品や長尺の荷物も積載可能でした。
  • 足回り: サスペンションはフロントがストラット式、リアが4リンク・リジット式を採用していました。これにより、レビン/トレノのリーフサスペンションとは異なり、高い操縦安定性を実現していました。

スペック (1974年式 1600GTリフトバック 参考値)

  • 全長:約4215mm
  • 全幅:約1620mm
  • 全高:約1280mm
  • ホイールベース:2425mm
  • 車両重量:約990kg (1973年式 TA27の例)
  • エンジン:2T-G型 直列4気筒DOHC
  • 排気量:1588cc
  • 最高出力:115ps/6400rpm
  • 最大トルク:14.5kgm/5200rpm
  • トランスミッション:5速マニュアルトランスミッション

評価と現在

初代セリカは1970年12月から1977年8月まで生産され、その長いモデルライフは基本コンセプトの確かさを示しています。特にリフトバックモデルは、その個性的なデザインと実用性、そして高い走行性能から現在でも根強い人気を誇る旧車のひとつです。現存する車両は、オーナーによって大切に維持されているものが多く、イベントなどでその美しい姿を見ることができます。


おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です