TOYOTA 2000GT


TOYOTA 2000 GT(後期)



トヨタ2000GTは、トヨタ自動車とヤマハ発動機が共同開発し、1967年から1970年までトヨタブランドで販売された、日本を代表する伝説的なスポーツカーです。わずか3年間で337台しか生産されなかった非常に希少なモデルであり、「幻の名車」とも呼ばれています。

概要と歴史

  • 誕生の経緯: 1964年の第2回日本グランプリでの敗北をきっかけに、トヨタが世界に通用する高性能スポーツカーの開発に着手しました。ヤマハ発動機の協力を得て開発が進められ、1965年の東京モーターショーでプロトタイプが発表され、1967年5月に市販されました。
  • 共同開発: エンジンのDOHC化など、ヤマハ発動機の高い技術力が投入されました。生産もヤマハ発動機の工場で手作業によって行われ、高品質が維持されました。
  • 当時の価格: 当時のクラウンの2倍以上、カローラの6倍にも相当する238万円という高額な価格設定で、一部の富裕層しか購入できない「スーパーカー」でした。
  • 記録樹立: 1966年には速度記録チャレンジで3つの世界記録と13の国際新記録を樹立し、その高い性能を世界に示しました。
  • 007での活躍: 映画「007は二度死ぬ」にボンドカーとして登場し、世界的な知名度を確立しました。撮影のために特別にオープンカーに改造された2台が使用されました。
  • 生産終了: 1970年に生産を終了し、総生産台数は337台にとどまりました。

主な特徴

  • 流麗なスタイリング: ロングノーズ・ショートデッキの美しいクーペスタイルが特徴で、空気抵抗の少ない曲線のみで構成されています。リトラクタブルヘッドライトの採用も、その美しいフロントノーズに貢献しています。
  • 高性能エンジン: クラウンに搭載されていたM型エンジンをベースに、ヤマハがDOHC化した水冷直列6気筒DOHC 1,988ccエンジンを搭載。ソレックス型3連キャブレターと相まって、最高出力150PS/6,600rpm、最大トルク18.0kgm/5,000rpmを発生し、当時の国産車としてはトップレベルの性能を誇りました。最高速度は220km/hに達しました。
  • 先進的な足回り: 日本初の4輪ディスクブレーキ、4輪ダブルウィッシュボーン式独立懸架サスペンション、マグネシウム合金ホイールなど、当時の世界水準を行く先進技術が多数採用されました。
  • 豪華な内装: ヤマハ製のウッドステアリングや、高級マホガニー製のインストルメントパネル、レザー張りのバケットシートなど、当時の国産車としては最高級の豪華な内外装が特徴でした。伸縮可能なハンドルやリクライニング機能も備え、快適な操縦性を追求しています。
  • 希少性: わずか337台という生産台数から、現在では非常に貴重なクラシックカーとして高い価値を持っています。

スペック(後期モデルの例)

  • 全長×全幅×全高: 4,175mm × 1,600mm × 1,160mm
  • 車両重量: 1,120kg
  • エンジン型式: トヨタ3M型 水冷直列6気筒DOHC
  • 総排気量: 1,988cc
  • 最高出力: 150ps/6,600rpm
  • 最大トルク: 18.0kgm/5,000rpm
  • トランスミッション: 5速MT (他に3速ATの設定もあり)
  • 駆動方式: FR
  • サスペンション: 前後ダブルウィッシュボーン
  • ブレーキ: 前後ディスクブレーキ

トヨタ2000GTは、その美しいデザイン、先進的な技術、そして圧倒的な性能で、日本の自動車史に名を刻む不朽の名車として、今もなお多くの人々に愛され続けています。


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