ランボルギーニ・ムルシェラゴ
ムルシエラゴ(Murciélago)は、イタリアの自動車メーカー、ランボルギーニが2001年から2010年まで製造していたスーパーカーです。
概要と位置づけ:
- ディアブロの後継モデルとして登場し、ランボルギーニのフラッグシップモデルとして約10年間生産されました。
- ランボルギーニがアウディ傘下に入ってから初めて開発されたモデルであり、アウディの資本と技術が投入されたことで、従来のランボルギーニにはなかった信頼性や快適性が向上したと評価されています。
- 生産台数は約4,099台で、これは当時のランボルギーニとしては最も成功したモデルの一つとなりました。
特徴:
- デザイン:
- チーフデザイナーはルク・ドンカーヴォルケ(Luc Donckerwolke)が担当しました。
- 非常に低くワイドなボディに、シザーズドア(跳ね上げ式ドア)という伝統的なランボルギーニのデザイン要素を受け継ぎつつ、現代的な解釈が加えられました。
- 初期モデルはリアフェンダーに可変式のエアインテークが装備されており、エンジンの冷却状況に応じて開閉するユニークな機構を持っていました。
- エンジン:
- ランボルギーニ伝統のV型12気筒エンジンを搭載しています。
- 初期モデルでは6.2Lエンジンが搭載され、最高出力は580psを発生しました。
- 後継モデルとして排気量と出力が向上し、LP640では6.5L、640psに、そして最終モデルのLP670-4 SuperVeloceでは6.5L、670psにまで引き上げられました。
- 駆動方式:
- 全モデルでフルタイム4WD(四輪駆動)を採用しています。これにより、V12エンジンの大パワーを路面に効率的に伝え、高い安定性とトラクション性能を実現しました。
- 派生モデル:
- クーペモデルの他に、オープンモデルの「ロードスター」もラインナップされました。
- 高性能版として「LP640」「LP670-4 SuperVeloce (SV)」などが登場し、限定モデルも多数存在します。
後継モデル:
- ムルシエラゴの後継モデルとして、2011年に「アヴェンタドール (Aventador)」が登場しました。
ムルシエラゴは、ランボルギーニの歴史において、現代のスーパーカーとしての基盤を築いた重要なモデルであり、そのアグレッシブなスタイリングとパワフルなV12エンジンは、多くの自動車愛好家を魅了し続けています。
ランボルギーニ ムルシエラゴは、2001年から2010年まで生産されたランボルギーニのフラッグシップモデルです。様々なバリエーションが存在しますが、ここでは代表的なモデルの仕様をまとめます。
基本情報(初期モデル 6.2Lの場合)
- 生産期間: 2001年~2010年(総生産台数 4,099台)
- 乗車定員: 2名
- 駆動方式: フルタイム4WD (ビスカストラクションシステム付)
- トランスミッション: 6速MT、後に6速セミAT(e-gear)も追加
- フレーム: 高張力鋼管製スペースフレームにカーボンファイバー製コンポーネント
- ボディ: カーボンファイバー製(ルーフとドア外部パネルはスチール)
- 燃料タンク容量: 100リットル
- 使用燃料: ハイオク
主要諸元(モデルにより異なる場合があります)
モデル名 | エンジン種類 | 総排気量 | 最高出力 | 最大トルク | 全長×全幅×全高 (mm) | ホイールベース (mm) | 車両重量 (kg) | 最高速度 (km/h) | 0-100km/h加速 (秒) |
ムルシエラゴ (初期) | V型12気筒DOHC48バルブ | 6,192cc | 426kW [580PS]/7500rpm | 650Nm [66.3kgm]/5400rpm | 4580×2045×1135 | 2665 | 1650 | 330 | 3.8 |
ムルシエラゴ LP640 | V型12気筒DOHC48バルブ | 6,496cc | 471kW [640PS]/8000rpm | 660Nm [67.3kgm]/6000rpm | 4610×2058×1135 | 2665 | 1665 | 340 | 3.4 |
ムルシエラゴ LP670-4 SV | V型12気筒DOHC48バルブ | 6,496cc | 493kW [670PS]/8000rpm | 660Nm [67.3kgm]/6500rpm | 4705×2058×1135 | 2665 | 1565 | 342 | 3.2 |
ムルシエラゴ LP650-4 ロードスター | V型12気筒DOHC48バルブ | 6,496cc | 478kW [650PS]/8000rpm | 660Nm [67.3kgm]/6000rpm | – | – | – | 330 | – |
Google スプレッドシートにエクスポート
その他の特徴
- サスペンション: ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング
- ブレーキ: ベンチレーテッドディスク(LP670-4 SVではカーボンセラミックディスクブレーキが標準採用)
- タイヤサイズ:
- フロント: 245/35ZR18
- リア: 335/30ZR18 (LP670-4 SVではリアタイヤが335/30 R19)
- 最小回転半径: 約6.27m~6.275m
- 特徴:
- アウディ傘下となってからの初の新型モデル。
- LPは「Longitudinale Posteriore(後方縦置き)」の略で、エンジン搭載位置を示す。
- 「ロードスター」はオープンボディモデルで、ボディ補強や専用設計のサスペンションが施されている。
- 「SV(スーパー・ヴェローチェ)」は軽量化と高出力化が図られた限定モデル。
ムルシエラゴは、そのV12エンジンが生み出す圧倒的なパワーと、迫力あるデザインで、ランボルギーニのV12フラッグシップモデルとして高い人気を誇りました。
